-安心して子ども産み、育てることができる街へ-

待機児童問題、そして「小1の壁」の解消

保育園の充実を

新宿区で子育てをする家庭の多くは共働きです。子どもが生まれてから1年程度は、育児休暇を利用し、両親のいずれかが家庭で子どもの面倒をみることができますが、それ以降は、通常、保育園に子どもを預けて職場に復帰しなければなりません。

ところが、1歳児を新たに保育園に預けようとしても、新宿区の認可保育園・子ども園・保育ルームには、入園希望者数の約6割程度しか募集枠がない状況です(2歳児、3歳児の場合は約5割)。0歳児については入園希望者数の7割超の募集枠があり、また仮に希望がかなわなかった場合でも育児休暇を利用することができますが、1歳児以降には、一般的にその選択は困難です。

近年、区の努力によって、待機児童問題は解消傾向にあるとされています。しかし、共働き家庭が安心して子どもを育てられるようにするためには、少なくとも1歳児以降の待機児童は、引き続き保育施設を充実させることで、原則としてゼロにしなければなりません。

24時間保育のニーズへ対応を

また、働き方が多様化する中、夜遅くまで仕事から帰ってこられない多忙な両親が増え、夜間保育、24時間保育の必要性も高まりつつあります。医師、看護婦などの夜勤しかし、新宿区において24時間保育に対応する認可保育施設は、大久保のエイビイシイ保育園のみであり、同保育園に入れない場合、高額の保育料を支払って認可外のベビーホテルに子どもを預けることになります。24時間保育に対応する保育施設を充実させることも重要です。

「小1の壁」と子どもひろば、学童クラブ

同様の問題は、子どもが小学校に進学した後にも、「小1の壁」という形で現れます。小学校低学年の子どもは、まだまだ大人が面倒を見なければなりませんが、小学校の授業は夕方になる前に終わってしまいます。この時期の子どもの放課後をケアするため、放課後子どもひろばや放課後学童クラブが設置されていますが、放課後子どもひろばは終了時間が早く、また放課後学童クラブは定員が限られているといった問題があります。

平成27年度から、新宿区の一部の小学校では、放課後子どもひろばの機能拡充や開設時間の延長が実施され、放課後学童クラブのように夕方7時までの利用が可能になります。この流れを他の小学校の放課後子どもひろばにも広げることが必要です。

また、「提言その2」において詳しく述べますが、私は、地域の公立学校をコミュニティ・スクール(地域協働学校)としてさらに充実させ、地域住民が参加するサークル活動の拠点として活用するべきだと考えています。その中で、放課後子どもひろばや放課後学童クラブのカリキュラムと地域住民のサークル活動とをリンクさせ、子どもたちに単なる「居場所」を超えた、文化・芸術活動やスポーツの機会を提供することができるのではないかと考えます。

子育て世代に対する経済的支援

新宿区を活気ある街にするためには、他の地域から来た人々が、ここで結婚し、子どもを産み、育てつづけられることが重要です。しかし、新宿の若い家族の多くは、収入に比較して住居費が高いという問題に直面しています。

子どもが生まれ、また一人増え、という中で、最初は1DKのアパート等に住んでいた夫婦も、2DKや3DK等のより広いマンションに引っ越す必要が出てきます。ところが、新宿である程度の広さの住宅に住もうとする場合、住宅の購入価格や家賃が高いため、多少の利便性を犠牲にしても他の市区や県に移り住む家族が少なくありません。

もちろん、生活環境を構成する条件のうち何を優先し、どこに住むのかは、それぞれの家族の考え方によるものであり、新宿区から引っ越して行くことが必ずしも残念なこととは限りません。しかし、できれば新宿に住み続けたいと思いながらも他の市区へ移り住む家族の話を聞き、また子どものいる核家族世帯の割合が減少し続けている統計データを見ると、少子高齢化が進む中、新宿区も、隣の豊島区のように「消滅可能性都市」となってしまうのではないかと考えさせられます。

新宿区では、「子育てファミリー世帯居住支援(転入転居助成)」と「民間賃貸住宅家賃助成」という制度がありますが、あまり知られておらず、また対象となる世帯数が、転入転居助成では、区外からの転入助成、区内での転居助成ともに30世帯ずつ、家賃助成では50世帯に限定されているなど、十分な支援とは言い難い状況です。少なくとも対象となる世帯数の拡充が望まれます。

また、「提言その2」において詳しく述べますが、新宿区の町会活動や商店会のイベント等の地域活動を担う方々の高齢化、固定化という問題を解決するためには、地域に住む幅広い人々、特に若い方の参加が必要です。地域の活性化を図ると同時に新宿区に住む若い家族を支援するため、例えば、幼い子どものいる方が地域活動に参加した場合には、住宅費に一定の支援を行ったり、地元商店会で使用できる地域通貨と交換可能なポイントを付与するなどの仕組みを導入することが考えられます。