ハワイ・マウイ島でのTPP交渉について
7月27日から30日まで、TPP交渉差止・違憲訴訟の会弁護団の一員として、山田正彦先生と共にTPP交渉参加国の閣僚会合の行方を見守るために、ハワイ・マウイ島に出張しました。

既にフェイスブック・ページ(下記リンク先)でもご報告しましたが、28日には、山田先生が日本での反対運動や世論の状況について、外国のNGOやメディアを含む方々向けに記者会見を行い、29日には、山田先生から国有企業に関する交渉状況に関する解説、私から日本での訴訟の概要について説明を行いました。

https://www.facebook.com/mikumo.takamasa

その間、国内外の利害団体、NGOやメディアの方々と情報交換を行い、また政府の説明会にも出席し、30日午前の段階では、交渉は大詰めを迎えており、今回は形だけであっても「大筋合意」が成立する可能性が高いという感触を得ていました。

しかしその後、ニュージーランドが米国、日本、カナダ、メキシコに対して乳製品の市場開放を強硬に要求して譲らず、また医薬品のデータ保護期間について途上国やオーストラリア、ニュージーランドと日米との溝が埋まらないこともあり、31日午後までに交渉を妥結することはできませんでした。

政府説明会でも言われていましたが、TPP交渉は、分野ごとに論点整理を行い、交渉官レベルで決着できる部分は進めていくものの、政治的な決着が必要な論点に関しては、分野を横断した取引(例えばA国はXという分野で他国に譲歩する代わりに、Yという分野では自国の主張を通してもらうといった取引)を通じてしか解決できません。このため、残り7、8の分野のうちどこかで妥協が成立しない場合、それら全ての分野が未解決のままになってしまうということが起こります。

日米政府は、8月末までに再度会合を開き、残った論点について決着を図るつもりだと言われていますが、今回のニュージーランド、マレーシア、チリなどの態度を見ると、それほど容易ではないかもしれないという印象を受けました。8月末にも「大筋合意」ができない場合、各国(特に米国)の国内政治の事情で、TPP交渉の妥結は相当先延ばしされることになります。

日本では、27日の日経新聞の世論調査において、「妥協してでもTPP交渉を妥結する」ことに反対の人が、賛成する人を10ポイント程度上回っていました。また、JA全中の会長が交代し、新会長の奥野氏は交渉の成り行きを見守ると発言するものの、水面下では反対運動を加速させていくものと見られています。

TPP交渉差止・違憲訴訟において、私たちは、TPPによって農業、医療、食の安全、公共調達、公益事業等の分野で「この国のかたち」が破壊されると主張しています。また、ISDS条項の導入により国内の紛争が裁判所でなく外国に設置される仲裁廷で裁かれる司法権の侵害、TPP発効によりTPPと抵触する国内法を国会が改廃する義務を負う立法権の侵害など、国の主権侵害も懸念されています。今回「大筋合意」が見送られたことをきっかけに、こうした問題点をさらに訴えていきたいと考えています。

また、今回国内外の利害団体やNGOと情報交換する中で、日本政府がいかにTPP交渉に関する説明や情報開示を渋ってきたかが、よりはっきりと分かりました。例えばカナダ政府は、交渉期間中、同国の利害団体に対して毎晩説明を行って自国の関係者が不意打ち的に不利益を被らないように配慮していましたし、その他の国でも、守秘義務に反しない範囲での情報提供が行われていることが分かりました。日本から行った私たちは、自国の政府からはほとんど内容の伴った説明を受けることができず、他国の利害団体やNGOと話しをする中で、今どういった交渉状況にあるのかについて情報を得ていました。

このような日本政府の行き過ぎた秘密主義は、国民の多くに不意打ち的に不利益をもたらし、また国内でTPPの中身についてほとんど議論をしないまま、政府独自の判断で外国に譲歩して妥結してしまうという形で、国益の毀損につながります。私たちは、これからも、政府に対して十分な情報開示を求めて活動していきます。

13:35 2015/08/02

 【座談会のお知らせ】
8月1日(土)午後4時から、座談会を開きます。前回は、憲法学者や法律家が安保法案を違憲と見做す理由につき、砂川事件最高裁判決等を読みながらお話ししました。今回も新宿区政をはじめとする様々な問題について皆さまと意見交換ができればと思います。場所は、高田馬場1-17-17山口ビル301の三雲崇正法律事務所です(下記リンク先に地図があります。)。お誘いあわせの上、お気軽にご参加ください!

http://niben.jp/orcontents/lawyer/detail.php?memberno=2965

16:59 2015/07/19


 【座談会のお知らせ】
7月4日(土)午後4時から、座談会を開きます。新宿区政だけでなく、国政や時事問題、社会問題などについて、皆さまのご意見を伺い、意見交換をしたいと思います。場所は、高田馬場1-17-17山口ビル301の三雲崇正法律事務所です(下記リンク先に地図があります。)。お誘いあわせの上、お気軽にご参加ください!

http://niben.jp/orcontents/lawyer/detail.php?memberno=2965

17:35 2015/06/27

 第1回区政報告会
6月20日(土曜)の午後6時半から、新大久保駅付近の会場で、初めての区政報告会を開催しました。
海江田万里・前衆議院議員、いのつめまさみ・前東京都議会議員のほか、白真勲・参議院議員、山本太郎・参議院議員をはじめとするご来賓を迎え、第2回定例会における活動、TPP差止・違憲訴訟での活動、弁護士会での活動等についてご報告させていただきました。
ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました。

 第二東京弁護士会・憲法改正問題対策協議会
本日(6月15日)午後3時から、霞が関の弁護士会館で行われた第二東京弁護士会・憲法改正問題対策協議会の準備会に出席しました。政府が集団的自衛権の行使を可能にする安全保障法制の整備を進める中、次の段階では憲法改正が本格的に議論されることが予想されます。協議会は、第二東京弁護士会の関連委員会からメンバーを出し、憲法改正に関し、それぞれの分野での論点についての意見交換をする予定です。

準備会では、自民党が2012年に発表した日本国憲法改正草案が配布されました。第二東京弁護士会の人権擁護委員会では、従前この草案に関する本格的な議論はなされていないと思いますが、今後は検討していく必要があるかもしれません。憲法改正が論点にされたときには正確な理解に基づく議論ができるよう、協議会での情報交換を通じて勉強を重ねていきたいと思います。

 2015年6月14日・高田馬場駅までの街頭演説
本日午後4時から約1時間、高田馬場駅前で街頭演説を行いました。安倍政権による、集団的自衛権行使を可能にする安保法制改正や派遣法改正に関し、海江田万里先生、いのつめまさみ先生、小野裕次郎区議と一緒に、反対の訴えをしました。

集団的自衛権行使に関しては、最近も衆議院の憲法審査会において、参考人の憲法学者3人全員が違憲と述べたことが話題になりました。そもそも、日本国政府は、自衛権の根拠は、憲法13条(生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利の尊重)や平和的生存権にあると説明してきました(平成16年政府答弁)。従って、自衛権の行使は、日本に対する急迫不正の武力攻撃が存在することが大前提であり、同盟国が攻撃されたり、遠く離れた地域の紛争によってシーレーンの安全が損なわれても、それを行使することは不可能なのです。

今の安倍政権や自民党の中枢にいる方々も、上記の考え方を前提に、これまで日本の安全保障をデザインしてきました。自民党副総裁の高村正彦さんは、外務大臣のころ(平成11年)には、集団的自衛権の行使は、憲法9条の下で認められる、日本を防衛するため必要最小限度の範囲を超えるので許されない、と明確に答弁しています。弁護士出身の政治家として、当然の理解だと思います。その当人が、解釈改憲に反対する憲法学者の批判を始めたことは、大変残念なことであり、また、平成11年から27年の間に見解が変わった理由について説明すべきであると思います。

 平成27年第2回定例会における一般質問
本日(6月11日)の午後、5分間の一般質問を行いました。議場で発言すること自体初めてであり、緊張しましたが、無事乗り切りました。

以下は、本日の質問前文です。区側の答弁については、未だ議事録が出来ていませんが、概ね質問作成の際に想定した通りでした。
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民主党・無所属クラブの三雲崇正です。一般質問をいたします。
 新宿区の防災体制の整備に関連し、災害時における外国人支援の仕組みの整備状況についてお尋ねします。

 2011年3月の東日本大震災では、この新宿区でも震度5弱の揺れを観測し、建物の倒壊や大規模火災などの被害は発生しなかったものの、交通機関の途絶によって帰宅困難者となった方が大勢出るなど、大きな混乱が生じました。
 この東日本大震災を踏まえた東京都防災会議の「首都直下地震等による東京の被害想定」は、東京湾を震源とする大規模地震が発生した場合などに、この新宿区でも、300名近くの死者、数千棟の建物の全壊・焼失、ライフラインの損傷などの甚大な被害、混乱が生じる可能性を指摘しました。そして、この想定を受け、新宿区では、自助、共助、そして公助、という三つの考え方を基本に、「新宿区地域防災計画」を定めています。

 ここで、「自らの生命は自らが守る」という自助のためには、日頃から防災知識を身に付け、また発災時には適切な情報を入手できることが必要になってまいります。

 日本人の区民の多くは、子どものころから地震を何度も体験し、学校や職場などの防災訓練も経験していることから、発災時の行動の仕方、避難所の場所の確認、日頃の水や非常食の備蓄などは、ある程度出来ている方が多いと思います。また、発災後の情報収集についても、ラジオを通じて、あるいは避難所において、情報取得をすることのできる方が多数であると思います。
 他方、この新宿区の人口約33万人のうち、10%を超える外国籍の方々や、新宿を訪れ、滞在する外国人観光客に関し、どの程度の仕組みが整備されているのか、いくつかお尋ねしたいと思います。

 まず、区の側から外国人住民の方々に対し、日頃から防災に関する情報を提供しておくことが重要だと考えます。新宿区では、外国人住民の転入時に、日本語にルビを振り、さらに英語、中国語、ハングルの翻訳が付いた「新宿生活スタートブック」という冊子を配布しています。また、地震への注意喚起、地震への備えの重要性や、地震が発生した際に取るべき行動に関し、日本語、英語、中国語、ハングルで、「緊急時や災害に備えて」というパンフレットも作成しています。

 しかし、外国人住民のうち、上位第3位の7.9%を占めるベトナム人、4位の6.9%を占めるネパール人、5位の3.8%を占めるミャンマー人について、その母語でのパンフレットが作成されておりません。
 ここでお尋ねしますが、これは英語版があれば、先ほど述べた国々の方も理解できるという考えに基づくものでしょうか。基本的な防災情報や防災マップは出来るだけ多言語対応が望ましいと考えますが、対応言語を選ぶにあたっての方針と対応状況もしくは準備状況をご教示願います。

 外国人に対する情報提供は、発災後に特に重要になってきます。「新宿区地域防災計画」では、「被災外国人への情報伝達を行うため、広報内容を外国語でも表現し、既存のネットワークや外国人コミュニティ、ボランティア等の協力を得て広報を行う。また、外国語によるチラシ配布を行う。さらに、外国人支援団体等と連携し、団体等を通じての情報提供を行う。」とされています。
 この点に関しお尋ねします。提供すべき情報をリアルタイムで多言語化するために、具体的にどのようなネットワーク、外国人コミュニティや外国人支援団体等との協力関係が構築されていて、どのような言語で情報発信できる体制が整っているのか、あるいはその準備を進めているのか、ご教示願います。

 以上、ご答弁をお願いいたします。

(区側答弁)

 ご答弁いただきありがとうございました。

 この新宿区は、区民の10%以上が外国籍であり、また、2020年の東京オリンピックに向けて、東京都全体が国際観光都市として発展していく中で、ますます多くの外国人観光客が、この新宿を訪れ、滞在することが予想されています。
 他方で、大規模地震による被害の発生は、限りなく現実に近い危機として私たちの目の前にあります。
 大災害において外国人に対して適切な情報と避難施設を提供し、また地域に住む区民が国籍にかかわらず協力し合って災害に立ち向かう。その仕組みを整備することは、外国人支援の問題にとどまらず、地域社会、そして私たち一人ひとりの安心、安全にとって重要な要素であります。
 引き続いて、多文化社会にふさわしい防災体制の構築に向けて、積極的に取り組んでいただくよう、お願い申し上げ、私の発言を終わらせていただきます。

 ご清聴いただきありがとうございました。

 当選しました
この度の新宿区議会議員選挙、2290票をいただき、当選しました。何の実績もない新人に期待いただいたことに感謝しますとともに、新宿区政のためにしっかりと活動して行かなけれならないと決意を新たにしました。今後とも、ご指導、ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。

三雲崇正

 三雲たかまさ事務所開き
4月12日(日曜)午後3時から、新宿区議会議員選挙のための事務所開きを行いました。
海江田万里・前民主党代表、いのつめまさみ・前東京都議会議員をはじめ、多くの皆様にご出席いただき、改めて決意表明をさせていただきました。
お集まりいただいた皆様、ありがとうございました。

 安全保障戦略及び国際貢献分野における「この国のかたち」
最近、区議選の候補予定者であるにも関わらず、「安全保障や集団的自衛権についてどのように考えているのか」という質問を受けることが多くなってきました。以下は、昨年の今頃、私が海江田万里先生に提出した小論の最終節です。集団的自衛権の行使容認閣議決定がなされ、それに基づいた安保法制案が提出されようとしていますが、それが現行9条の下では許されないこと、また憲法改正をするにしても集団的自衛権行使は認めるべきでないという基本的な考え方は変わっていません。

<筆者は、既に述べたように、戦後日本の安全保障戦略及び武力によらない国際貢献は、現在の日本のアイデンティティを形成し、また国際社会における日本のイメージ戦略に寄与してきたと考える。従って、従前の日本の姿勢が「みっともない」ものであるという評価には与しない。但し、今後も同じ戦略をとり続けることが日本の国益に資するものであるかについては、見通しが明確ではない。少なくとも、集団的自衛権の問題については、米国の一部に、日本が東アジア及び南シナ海の安定のために、集団的自衛の枠組みを通じて、応分の負担をすべきであるとの強い期待があることは事実であるし、ますます軍事力を拡充する中国に対して複数国と連携して抑止を効かせることが日本の安全保障戦略に必要との議論にも一定の合理性があるように思われるからである。

しかし他方で、東アジア及び南シナ海から地理的に距離のある米国及びオーストラリアを除き防衛能力に問題を抱える国々と連携して「対中国包囲網」を形成することは、日本が中国との間で矢面に立つということを意味している。また、そもそも東南アジア諸国が日米と共通の利害をもって中国に対峙していると言い切れない状況下では、東南アジア諸国を巻き込んでの「対中包囲網」を形成するという戦略に果たして現実味があるかという問題もある。これらの問題を考えたとき、少なくとも、中国に「対中国包囲網」構築目的とする憲法改正との疑念を抱かせる時期にこれを行うことには、慎重であるべきと考える。

さらに、集団的自衛の枠組みについては、それがユーゴスラビアを空爆し、アフガニスタン攻撃を行ったNATOのように、同盟国の一部に引きずられる形で武力行使を行うこととなる危険を考慮すべきである。冷戦後のNATOの軍事行動は、加盟国同士及びその周辺(ヨーロッパ)に明確な安全保障上の懸念が存在しない状況において、反撃能力を持たない国や地理的に離れた国に対してなされたものであり、その倫理的な問題は措くとしても、加盟国の本国(本土)にリスクの及ばないものであった。しかし、ヨーロッパと異なり日本の周辺は非常に不安定な国際環境が常態化している。そのような中で、日本が集団的自衛の枠組みを根拠として、例えば台湾や南シナ海での有事などの他国間の紛争に介入せざるを得ないことになれば、中国からの日本本土への攻撃や、北朝鮮やロシアなどの動向に対応するためのリソースを残しつつ他国防衛のために南方に部隊展開しなければならない点で、非常に重い負担となることが予想される。

日本による集団的自衛権行使は、米国から見れば、自衛隊が米国のリバランス政策のためのリソースとして計算可能になる点で非常にメリットが大きいと思われる。しかし、日本側にもリスクと負担の増加に見合うメリットがあるとは限らない。それにもかかわらず、東アジア及び東南アジア地域における「平和の創出」のために日本がリスクと負担を負うことが、現時点において必要といいうるのか、非常に疑問がある。むしろ、現行9条の枠組みの下で、東南アジア諸国との間で装備品に関する支援や共同訓練等の軍事交流を進展させ、同時に東南アジア諸国が制度的バランシングないしソフトバランシングを維持するのに任せる方が、対立構造を明確化、固定化するよりも地域の平和と安全に資する戦略であると思われる。

国際貢献分野においても、既に述べたように、日本が紛争地域における武力行使を行う方針へと移行した場合、リスクと負担の増加は避けられない。また、従前日本が発展させてきた非軍事的な国際貢献の手法を継続することが困難になる場面が多くなることが予想される。多くの先進国が武力行使による「平和の創出」を選択する中、日本の非軍事的な国際貢献は、国際的な日本の評価を高め、日本のアイデンティティを形成してきた側面がある。そのようなアイデンティティを捨てて武力行使に伴うリスクと負担を選択することが、真に日本の国益と国柄に適ったものであるか否かについては、未だ慎重な検討を要すると考える。

安全保障戦略及び国際貢献分野における「この国のかたち」を明らかにするには、安倍首相とそれ同調する人々により構成される安保懇の議論はあまりにも粗雑である。国民の前に選択肢を示すのであれば、日本が現行の9条の枠組みから踏み出す場合のリスクと負担をできる限り正確に算出し、それを前提にいずれを選択することが国益に適うのか、冷静な議論を提示しなければならない。筆者の見るところ、そのような選択肢が出そろうには少なくとも数年の時間を要するはずであり、その前にリアリティを欠いた理想論やイデオロジカルな「べき論」により「この国のかたち」を定めようとするいかなる議論にも与してはならないと考える。>

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