【「共謀罪」を含む「組織的犯罪処罰法改正案」の成立について】
 2017年6月15日の朝、共謀罪が成立しましたが、法律が成立したその瞬間に民主的で自由な社会が終わるわけではありません。
 治安維持法も、成立して数年かけて、改正(改悪)と恣意的な運用によって、国民を虐げる悪法に変容しました。

 これから数年間、そのような変容を許さない努力が必要です。憲法12条にいう「国民の不断の努力」によって、自由と権利を擁護しなければなりません。

 憲法すら自在に解釈して見せる政府の前では、もはや憲法の文言だけでは自由と権利は保障されません。立法と司法、そして何より国民が、政府の行動に注視して、それを掣肘することが必要です。
 そして選挙によって国会の構成を変更し、できれば他の憲法上の疑義がある法律とともに、今回の法律を廃法にしなければなりません。

 私は、国民の一人として、政治家の一人として、また在野の法曹の一人として、自由と権利が現実に保障される社会を目指し、活動して参ります。

 同時に、国民の間に分断を生じさせないことも大切なことです。今の与党の政治家やその支持者であっても、皆がこの流れに全面的に賛成ということはないと思います。多くの人と繋がって、「国民の不断の努力」をより大きな力強いものにしていきたいと思います。

(写真は2017年6月11日、市民グループ、弁護士有志や政党が一緒になって行った高田馬場駅前での共謀罪に反対するリレートークの様子です。)

 【TV出演/ヘイト・スピーチに関するインタビュー】
2017年4月15日に放映された東京MXテレビの「田村淳の訊きたい放題」において、ヘイト・スピーチに関する特集がなされました。
その中で、何がヘイト・スピーチに該当するのかについて、インタビュー形式で解説しました。
下記リンク先の34分30秒以降で、ご覧いただけます。
https://www.youtube.com/watch?v=vK7Ti65sgAQ

 【4月16日(日)学習会「水道・公共インフラが奪われる!!−水道法改正・PPP/PFI推進施策の問題点」開催】
 今国会に提出された水道法改正案は、命のインフラである水道の民営化を可能にするものです。
 水道に限らず、政府は、地方自治体が保有するインフラや公共施設について、PPP(官民連携)やPFI、民営化を推進するための施策を講じ、これを地方自治体に押し付ける動きが本格化しています。
 水道法の改正とその背景にある公共施設での官民連携推進施策の問題を議論するため、標記の学習会を開催します。
 定員は90名(先着)とあまり多くありませんが、是非ご参加ください。

 【新宿区議会平成29年第1回定例会の報告】
 2月17日から3月22日まで行われた定例会における質問内容及び予算特別委員会での審議結果について報告するための区政レポートを作成しました(添付写真)。
 本会議での一般質問では、次期学習指導要領に対応した「キャリア教育」(起業体験教育)に関する区の考えを聞きました。
 また、予算特別委員会では、「区財政と経済見通しについて」、「2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けた施策(公衆衛生対策(公衆トイレ整備)、自転車対策)」、「公共施設等総合管理計画とPPP/PFI推進施策の問題点について」、「アレルギー疾患対策について」、「民泊問題と新宿区の観光施策について」等について議論しました。
 区政レポートは、4月上旬に皆様のお手元にお送りします。

 【日弁連による共謀罪反対意見書/4月17日市民集会】
 2月17日に、日本弁護士連合会(日弁連)がいわゆる共謀罪に反対する意見書(下記リンク先ご参照)を公表しました。

 既に、新聞・テレビ等で論点が報道されていますが、法曹界の一翼を担う弁護士会が改めて意見表明を行ったことには意味があると思います。

http://www.nichibenren.or.jp/…/d…/2017/opinion_170217_02.pdf

 共謀罪では、長期4年以上の自由刑(懲役、禁錮)に処せられる多くの犯罪類型について、一般の犯罪類型では処罰の対象となりえない「陰謀」、「共謀」の段階で犯罪の成立が認められます。

 一般に刑法で処罰の対象となるのは、
通常は、@「既遂」(犯罪結果を引き起こしたこと)
例外的に、A「未遂」(犯罪結果には至らなかったものの、犯罪結果発生に向けた「実行行為」を行ったこと)、
さらに例外的にB「予備」(犯罪行為を準備すること)、です。

 しかし、共謀罪は、さらに前の段階にあたるC「陰謀」(犯罪を行うことを目的に「計画」を立てること)を処罰するものです。

 現行法上、「陰謀」の処罰は内乱陰謀罪、外患陰謀罪や私戦陰謀罪など、国家の存立にかかわるような重大な犯罪に限られていますが、その原則が大きく変容します。

 政府が共謀罪の対象としようとする長期4年以上の犯罪には、政府が主張する「テロ」により引き起こされる殺人や傷害ばかりでなく、詐欺罪、強制執行行為妨害等罪や強制執行関係売却妨害罪といった経済目的の犯罪も含まれます。

 ここまで広く「陰謀」、「共謀」の段階での処罰が必要とは思われず、対象となる犯罪類型の絞り込みは不可避でしょう。

 共謀罪の問題は処罰範囲が広いことにとどまりません。処罰対象が広いということは、捜査の対象、捜査権限が与えらえる範囲も広がるということです。

 共謀罪で捉えようとする「計画」(合意)は、人と人との意思の合致によって成立します。
 これを捜査しようとすれば、犯罪を行う予定があると疑った人の会話、電話、メール、SNS等、およそ人の意思を表明する手段一般や人のGPSでの位置情報等を収集することになります。

 現在でも、既に通信傍受やGPSによる捜査が広く行われていますが、共謀罪の捜査のためとして、さらに通信傍受の範囲が拡大することは明白です(そうでなければ共謀罪を設けても捜査ができず、無意味な立法になってしまいます。)。
 さらには「迅速な捜査活動のため」と称して裁判所の令状を必要としない盗聴を認める立法につながる可能性もあります。

 このような人のコミュニケーションや位置情報まで監視する捜査手法が一般化した場合、日常的に憲法21条2項が保障する通信の秘密が侵害され、日々検閲を受けることと同様の状況に置かれた市民間のコミュニケーションが萎縮することになります(毎日、このメールの内容は警察に見られても問題がないだろうか、と考えながらメールを書かなければならなくなります。)。

 「悪いことをしていない一般人には影響がない」ということはありません。公権力が「悪いこと」をしていると疑った場合には、どんな人でも通信傍受や位置把握などの捜査の対象となることが問題です。そして、「悪いこと」と疑われる範囲は、詐欺罪なども含む広いものです。

 本当に共謀罪が必要なのか、ま共謀罪が必要としても、対象となる犯罪の範囲や要件、定義をどのように設定することが適切なのか、慎重に、時間をかけて国民全体で議論する必要があります。またも強行採決ということは止めなければなりません。

 なお、4月17日(月)午後6時から霞ヶ関の弁護士会館で、第二東京弁護士会主催で、「新共謀罪法案 名前を変えても危険な本質は変わらない」と題する市民集会が開催されます(添付のチラシをご覧ください。)。平岡秀夫・元法務大臣と海渡雄一弁護士がお話しされます。
 この問題を理解する大変良い企画だと思います。

 【十勝毎日新聞インタビュー記事掲載】
 十勝毎日新聞の1月28日(土)夕刊一面に、ISDS条項についてのインタビュー記事が掲載されました。
 TPPが国会で承認され、さらにトランプ大統領の脱退宣言によって漂流した現在では、時機に後れた感のある記事ですが、今後日本が結ぶ投資・貿易協定でもISDS条項の問題性は変わりませんので、十勝地方の皆さんに知っていただく意味はあったのかと思います。

 【平成29年 新宿区青少年団体新春祝賀パレード・はたちのつどい】
1月8日、9日は、若い人たちのためのイベントに参加しました。

1月8日は、新宿区青少年団体新春祝賀パレードが行われ、私も昨年同様、海江田万里先生から借りたスピーカーの付いた街宣車で、音響のお手伝いをしました。
伊勢丹前の目抜き通りでパフォーマンスを披露し、また堂々と行進する子どもたちを見て、大人の一人として、将来の社会を担う人たちの育ちをしっかりと支援しなければならないと改めて思いました。

また、9日は、全国各地の自治体と同様、成人の日のイベントとして、新宿区主催の「はたちのつどい」が開催され、区議会議員として出席しました。元気な若者の集まりでしたが、各地で報道されるような騒ぎも全くなく、新宿は他所と違うようです。
楽しみながら、納得のいく人生の基礎を築いて頂きたいと思います。

 【旧年中の御礼と新年のご挨拶】
2016年は、区議会議員として、また弁護士として多くの皆様と一緒に仕事をさせていただき、大変お世話になりました。高田馬場駅に法律事務所を開設してもうすぐ2年、今度の4月には地方議員になって2年が経ちます。
地域の声を行政や様々なレベルでの政治に届けることを使命とする地方議員として、また基本的人権を擁護し、社会正義を実現することを使命とする弁護士として、これからも精進を重ねてまいります。
今後とも、ご指導、ご鞭撻のほど、よろしくお願いいたします。
(写真は、所属する区議会会派の議会レポート最新号です。)

 【平成28年第4回新宿区議会定例会・代表質問】
11月29日から開催された区議会定例会において、会派を代表して質問しました。

質問項目は、
1.新宿区公共施設等総合管理計画(素案)と国の「多様なPPP/PFI手法導入を優先的に検討するための指針」との関係について
2.新宿区公共施設等総合管理計画(素案)の具体的内容について
3.児童相談所の開設に向けた取組について
4.高齢者の交通事故防止について
5.熊本地震の教訓を踏まえた防災施策について
の5つです。

このうち1.の「新宿区公共施設等総合管理計画(素案)と国の『多様なPPP/PFI手法導入を優先的に検討するための指針』との関係について」では、新宿区の自主的・主体的な公共施設等の管理方針を堅持するよう求めました。

国は、各自治体による公共施設等の整備や運営等に当たっては、今後は、自治体自身が公共施設等の管理運営等を行う従来型手法よりも、民間事業者を施設の建設や運営に関与させるPPP/PFIの導入を優先的に検討するよう求め、さらに、PPP/PFIを優先的に検討するための規程(優先的検討規程)の策定を求めています。

そして、優先的検討規程を策定してしまうと、@10億円以上の公共施設建設や、A単年度1億円以上の公共施設等の運営・維持管理については、PPP/PFIを優先検討することを強いられ、区の自主的判断が損なわれるおそれがあります。

答弁において、区は、PPP/PFIのデメリットについて、PFIでは、導入検討や手続に相当な期間を要し、また検討を行うだけでも外部コンサルタントに対して委託費用を支払わなければならない、といった問題があることを認識していることが明らかになりました。

他方で、「優先的検討規程」の策定については、国が推奨するPPP/PFI導入の拡大を図るための各種施策の活用を含め、規程策定の効果や課題などについて検討している、という曖昧な答弁でした。

国が進める施策に対して、明確に反対を表明することは難しいのだと思いますが、施設特性や区民ニーズを反映した新宿区の自主的・主体的な施設整備・運用が損なわれないよう、慎重な検討を求めてまいります。

 【11月26日区政報告会開催のご報告】
11月26日(土)に、「三雲崇正区政報告会」を無事開催することができました。当日は寒い中でしたが、おかげさまで多くの皆様にお越しいただきました。
 報告会では、川村明・公益社団法人日本仲裁人協会理事長から激励のお言葉をいただき、海江田万里・前衆議院議員、小川敏夫・参議院議員及び山田正彦・元農林水産大臣による昨今の政治情勢に関する鼎談、猪爪まさみ・前東京都議会議員による乾杯のご発声の後、私の活動報告をさせていただきました。
 昨年5月に新宿区議会議員に就任して以来、区議会の内外で区政に関する提言、行政のチェックを行うとともに、私たちの生活に影響のあるTPPなど様々な問題にも取り組んでまいりました。
 今後も一生懸命に活動してまいりますので、ご指導、ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。

P1 P2 P3 P4 P5 P6 P7 P8 P9 P10 P11
[管理]
CGI-design